Design Academia - 国公立デザイン系大学会議

変化を続ける社会に対応する

秋田公立美術大学は、1952年に秋田市が設立した工芸学校を前身として専門学校から短大へと成長を続け、2013年に4年制大学として開学しました。今年で開学して8年を迎えたところですが、その歴史は約70年と古く、それぞれの時代に合わせて教育の仕組みを革新してきました。情報化社会への突入とともに、さまざまな分野や領域を超えた活動によって、社会の仕組みは加速度的に変化し続けています。本学では、過去からの固定概念やしがらみから脱却し、社会のオープン化に順化すべく、「変化を続ける社会に対応する教育」を念頭に、さまざまな専門性を有する教員が連携して教育カリキュラムを構築しています。このように、本学では開学を機に、新しい芸術領域の創造に挑戦し続けています。

本学は1学部1学科5専攻で構成されています。これは、旧来的な絵画、彫刻、工芸、デザインといった分類ではなく、社会に呼応する「5つの考え方」によってつくられました。各専攻の指導教員は、それぞれの専攻の考え方をベースに、領域を横断するように配置されています。デザインという独立した専攻は存在せず、例えば「ものづくりデザイン専攻」では、6つの工芸領域と空間・プロダクトデザイン領域、ソーシャルデザイン領域といった領域を複合する教員体制を構築し、「次世代のものづくりはどうあるべきか?」といった本質的な問いに向かって新たな教育の模索と実践を繰り返しています。

ユニークな5専攻が一丸となって領域横断した教育に取り組むことで、社会のさまざまな要因(文化・政治・経済・環境・思想など)と、美術・芸術の関わりについて広い思考力を養うとともに、これからの世界の動向を俯瞰的に捉える力を身につけ、旧来の分野に捉われない未知の領域を切り開いていく人材の輩出を目指しています。

 

2021.7.2