Design Academia - 国公立デザイン系大学会議

複数組織の教員が協働して運営する横断型教育

筑波大学の芸術組織は、筑波大学創立の1年半後の1975年に活動を開始しました。当初より、教育組織と教員組織を分離しており、学部課程の芸術専門学群と芸術学系が最初に組織されています。さらに,大学院は独立修士課程の芸術研究科、5年一貫博士課程の芸術学研究科を備え、専門学群から進学する際にも、修士課程か博士課程を選択するシステムでした。1991年の大綱化の際に、大学院課程にデザイン学を置いたことによって、修士、博士レベルのデザイン学の研究教育を行う体制となりました。

その後、大学院の部局化に対応するため、2001年に、教育学・障害科学・心理学・体育科学・医学と連合して、大学院組織の人間総合科学研究科を設立し、大学院課程を統合しました。この時、横断型の研究教育を行う組織として、感性認知脳科学専攻、スポーツ医学専攻、ヒューマンケア科学専攻を置きました。これらの専攻は、複数の「学系」に所属する教員が協働して運営する、まさに横断型教育の象徴的存在でした。この時点で教員は大学院所属でしたが、学校教育法100条但し書きを活用する形で「系」を発足させ、以後教員の所属は「系」となっています。すなわち、ここで研究分野である「系」に所属する教員が複数協働して「専攻」の教育に携わる形となりました。

2020年には、これをさらにもう一段進める形で大学院の学位プログラム化が実現し、全学の大学院が、人文社会ビジネス、理工情報生命、人間総合科学の3学術院に統合され、かつて専攻と位置付けていた組織を学位プログラムとして再構成しました。

学術院を担当する教員は、1つの主担当学位プログラム、4つまでの副担当学位プログラムに関わることができ、学術院を超えた研究指導を「副指導」という形で実現しています。

特に、人間総合科学学術院に設置したデザイン学学位プログラムは、1991年から30年運営した「修士(デザイン学)」「博士(デザイン学)」に,2001年から20年で30名を超える博士が輩出した「修士・博士(感性科学)」を統合する形で、構成(Science of Art and Design),プロダクト・情報デザイン,建築デザイン,エンタテインメントデザインなどを統合した、横断的かつ実践的な大学院課程として船出しました。

 

筑波大学大学院 人間総合科学学術院 デザイン学学位プログラム

博士後期課程

博士前期課程

 

2021.7.2