2020年11月29日、同年2月に福岡にて開催予定だったものの、新型コロナウィルス感染防止の観点から延期されていた「日中デザイン会議」が、九州大学大橋キャンパスの学修支援施設デザインコモンにて開催されました。この日、中国5大学と日本3大学がオンラインでつながり、日本語、中国語、英語の3ヵ国語の同時通訳を入れて、ようやく実現にこぎつけた本会議。
第1部のテーマは「日中デザイン系大学の現状と、国際交流の可能性と効果」。中国と日本の各大学から、デザイン系学部における教育方針や取り組みが報告されました。両国ともに、デザイン領域に求められるニーズの多様化により、専門領域に留まらない学際的な教育プログラムが実施されていることが共有されました。さらに各大学が取り組んでいる国際交流の内容も紹介。今後、日本と中国の連携を強めることで、アジア的なデザインアプローチを推進し存在感を高めていくことが、改めて確認された会議となりました。第2部のテーマは「デザインにおける知的財産権の役割」。このパートでは、日中それぞれの知的財産権についての講演が行われました。両国における法律の現状が共有され、この後に行われるディスカッションのための共通認識となりました。
会議のダイジェスト版は、こちらよりご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=Y1I5BtF39wQ
「日中デザイン会議」を終え、午後に行われたのが「アジアデザイン会議」です。デザイン教育に携わる日本含め7ヵ国のアジアの大学がオンライン上で集まりました。COVID-19の感染拡大状況が各国異なる中、今教育がどのように行われているのか? 各国の歴史的な背景から、現在デザイン人材に求められる資質は何か? などの情報共有に始まり、広くアジアのデザイン系大学が連携することで、新たな学術研究分野の創出を目指すことなど、幅広いトピックが取り上げられました。
会議のダイジェスト版は、こちらよりご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=WiaIVlzx-nM&t=2s
プログラム
日中デザイン会議(9:00-12:00)
9:00 趣旨・参加者紹介(九州大学未来デザイン学センター長 清須美匡洋)
9:05 開会挨拶 (九州大学 副学長・芸術工学研究院長 谷正和)
第一部 日中デザイン系大学の現状と国際交流の可能性と効果 (各大学による取組報告)
9:10 北京理工大学 設計芸術学院 楊建明院長
9:25 同済大学 設計創意学院 范聖璽書記
9:40 広州美術学院 建築芸術設計学院 沈康院長
9:55 大連理工大学 建築芸術学院 唐建院長
10:10 江西経済大学 芸術学院 李民院長
10:25 休憩
10:30 九州大学 芸術工学研究院 杉本美貴 准教授
10:45 札幌市立大学デザイン学部 細谷多聞 学部長
第二部 デザインにおける知的財産権の役割
11:00 中国の知的財産権について(蔡万里 准教授)
11:15 日本の知的財産権について(麻生典 准教授)
11:30 日中デザイン会議ディスカッション(コーディネーター:杉本・麻生)
アジアデザイン会議(13:00-17:10)
13:00 アジアデザイン会議趣旨・参加者紹介(九州大学未来デザイン学センター・清須美センター長)
第一部 アジアにおけるデザイン学教育研究取組の共有(各大学による取組報告)
13:05 九州大学大学院芸術工学研究院 谷正和 副学長
13:15 千葉大学 小野健太 准教授
13:30 京都工芸繊維大学 岡田栄造 教授
13:45 韓国 KAIST prof.Tek-Jin Nam Dean
14:00 インドネシア:バンドン工科大学 prof.Intan Rizky Mutiaz M
14:15 休憩
14:25 香港理工大学 prof.Kun-Pyo LEE
14:40 シンガポール南洋理工大学 prof.Peer M SATHIKH associate chair
14:55 タイ シラパコーン大学 prof. Non Khuncumc hoo
15:10 台湾 台北科技大学 prof. Chih-Hong Huang
15:25 休憩
15:35 ディスカッション (コーディネーター:松隈・井上)
第二部 デザイン学教育国際連携の可能性
16:15 国公立デザイン系大学の取り組み紹介(田村 准教授)
16:30 ディスカッション(コーディネーター:田村・迫坪)
17:00 閉会挨拶(九州大学未来デザイン学センター長 清須美匡洋 教授)
17:10 終了
[主催]九州大学未来デザイン学センター、九州大学大学院芸術工学研究院
2021.4.21