国公立デザイン系大学会議とは
背景と目標
社会のかつてない変化を背景に、質的にも変容を続けるデザインの概念と領域は急速に拡張を続けています。20世紀の経済優先の時代におけるデザインの役割は、その一部である創造プロセスの最終段階での「色や形による造形表現」による価値付けが主でした。日本をはじめアジア諸国の大学においても、特に戦後、欧米の近代モダンデザインを手本としたデザイン教育研究が行われ、経済成長の一役を担う多くの人材を輩出してきました。
しかし現在、20世紀が積み残してきた社会の多様で複雑な諸課題を解決するためには、本来のデザインの役割――諸課題の要因やニーズ、解決の糸口を多方面の視野から俯瞰的に探り、具体的な解決の方向を導き、提案・検証する――が、創造プロセスのすべての段階において有効な方法となり得ると認識されてきています。
このようにデザインに対する社会的な役割や期待が高まっている中、デザイン学の教育研究の現場として、わたしたちにはその概念と方法論の再構築を行う必要があると考えています。
そうした状況を鑑み、国内およびアジア諸国のデザイン系大学との連携による新たな学術研究領域を創出し、国際的なデザイン学の教育研究拠点を形成するとともに、デザイン学教育・研究を推進することを目的として、国公立デザイン系大学会議は設立されました。
今後は、アジア地域の文化・芸術、産業、人材育成などに重点を置き、相互の教育研究内容を共有しつつ、大学におけるデザイン系の教育研究にかかわる共通の課題について協議し、デザイン系の教育・研究活動の改善、向上および発展に寄与します。並びに、国公立デザイン系大学会議を基盤とするデザイン学の国際拠点化によって、教育研究活動と産官民との共同体制を構築することで、スピーディな社会実装を推進し、未来社会の創生に積極的に貢献することを目指します。
目的
国公立デザイン系大学会議は、国公立デザイン系大学の学部・研究科等の団体(会議の「会員」)を持って組織し、国公立デザイン系大学の学部・研究科等が協力・共同し、デザイン教育・研究の改善及び発展を図ることを目的とします。
会員
- 秋田公立美術大学
- 筑波大学
- 千葉大学
- ⻑岡造形大学
- 富山大学
- 静岡文化芸術大学
- 名古屋市立大学
- 九州大学
- 佐賀大学
主な活動
国公立デザイン系大学の学部・研究科等が協力・共同し、デザイン教育・研究の改善及び発展を図るために、主に以下の活動を行います。沿革はこちら。
- デザイン教育・研究に関する課題を取り上げ、その改善及び発展に向けた議論の場として、会議の会員が一同に会する国公立デザイン系大学会議の総会を、年に1回もしくは2回開催。総会での議論・報告については、本サイトにおいて公開します。
- 各大学のデザイン教育・研究における取り組みを共有する会員のためのプラットフォームとして本サイトを設置。会員によって自由に更新が行われ、随時最新の取り組み情報の共有が可能となります。