Design Academia - 国公立デザイン系大学会議

目指すは「デザイン工学」と「メディア工学」の交差

デザイン・メディア工学専攻は、2009年から設置された新しい専攻で、設置当時は博士前期課程と博士後期課程から始まりました。現在は、2016年度の学部改組、2018年度の大学院改組(修士課程)を経て、2019年から理工学研究科(博士課程)がスタートしています。修士課程は1研究科となり、本学では総合科学研究科(修士課程)に4つの専攻が設置され、各専攻にコースが置かれています。また、博士課程については、理工学研究科に3つの専攻が設置され、そのうちのひとつがデザイン・メディア工学専攻です。修士課程はコース、博士課程は専攻となっており、少し紛らわしいので、本稿では、修士課程と博士課程を総称して、D&MT(Design and Media Technology)と記述します。

D&MTは、芸術系、環境系、情報系の3つの分野で構成され、芸術系では主にデザイン工学、環境系と情報系では主にメディア工学に関する教育・研究を実施しています。心の豊かさを求める社会的ニーズをふまえ、多様なデザイン思考とそれを支える高度なメディア系技術を活用して、安全で快適な空間やプロダクト、人・モノ・情報をより快適につなぐ、地球に優しいデジタルコンテンツなどの創出を目指しています。そのために、先進的なデザインを実現する創造性や、そのデザインの具現化に貢献する高度なメディア系技術をはぐくむ教育・研究を行なっています。また、国際的な視野や地域への課題解決意識を醸成するさまざまな環境を整備しています。

われわれが育成したいのは、「デザイン工学」と「メディア工学」の相互の分野を理解し、デザイン・メディア工学の多様な分野で活躍できる人間です。学生が環境系や情報系出身の場合は、デザインのことが分かるメディア系技術者や研究者を、芸術系出身の場合は、メディア系技術がわかるデザイナーや研究者を目指して育成しています。

D&MT の概要

D&MTでは、担当教員が窓口となり、海外の協定大学との交流が非常に活発です。毎年、多くの留学生が研究生や交換留学生を経てD&MTへ入学します。ここ数年は、在学生のうち40%から50%が留学生です。修士課程では、外国人留学生と日本人が混在した環境で PBL(Project Based Learning)を行っています。国籍や専門性が異なる多様な学生同士で課題発見、解決を行うことが可能な環境となっており、学生のグローバル化に貢献しています。また、D&MT担当教員が中心となって運営している芸術科学会東北支部では、毎年デジタルコンテンツ展示イベント『アート&テクノロジー東北』を開催しています。展示イベントの運営はD&MT学生が中心となって実施しており、社会性やコミュニケーション能力を培う場として活用しています。さらに、この展示イベントに前述のPBLの成果物や自身の研究成果を展示する学生も多く、講義を超えてコンテンツ制作やそのための技術開発を行う学生が増えています。

アート&テクノロジー東北Webサイト
http://www-cg.cis.iwate-u.ac.jp/AT2019/index.html

アート&テクノロジー東北の様子

2019.9.26