Design Academia - 国公立デザイン系大学会議

RCA交換留学30周年
京都市立芸術大学では、世界各国19校の大学と交換留学・交流協定を結び、美術学部、美術研究科では、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(イギリス/ロンドン)、ミラノ工科大学(イタリア/ミラノ)、国立高等装飾美術学校(フランス/パリ)、アールト大学(フィンランド/ヘルシンキ)、ナスカド大学(カナダ/ハリファクス)をはじめ、ヨーロッパ・北米・アジア9ヵ国11校と協定を結び、交換留学を実施してきました。特に、本学の交換留学の始まりとなったロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)とは1989年から協定を開始し、毎年2名の学生を継続的に交換。成果を広く学内に還元し、貴重な学びの機会となってきました。さらに1996年からは、毎年3名ずつを交換するように発展を続け、このほどRCA交流30周年を迎えました。今年、その記念事業として30年の交流成果をアーカイブとしてまとめ、Webサイト(https://intl.kcua.ac.jp/rca-kcua30) にて公開しています。
このアーカイブ事業は、派遣・受入留学経験者に対するインタビューを中心とした聞き取りを行い、それぞれの交換留学の経験を文章化して蓄積したものです。学内の学生に対して芸術大学ならではの交換留学の魅力を発信し、より活発な国際交流の促進を目的の一つとしています。

コロナ禍での国際化
 しかしながら、このコロナ禍において海外渡航が困難になり、交換留学は休止。海外留学を志していた学生からは消極的な声も聞かれるようになってきてしまいました。そうした状況を踏まえ、留学経験者や交換留学生による対話や研究会、イベントを学内でオープンに開催し、文章だけではなく映像化の形でもアーカイブを行うなど、このアーカイブ事業を芸術資源研究として継続していく予定です。今後も交換留学の特性や効果を可視化し、学内の国際化に寄与する活動を実践したいと考えています。

国際化とカリキュラム
 上述のような国際交流の取り組みや実績は、本学全体において学内の国際化の重要な指針となってきました。特に、デザイン科プロダクトデザイン専攻では、2023年の大学移転を機に計画している改組のために、交流協定校だけではなく海外のデザイン大学の取り組みに多くを学んできました。従来のデザイン教育のカリキュラムが日本独特の社会構造や産業に縛られていたことから脱却し、激動する社会、ニューノーマルの時代に柔軟な適応力、柔軟な探求を支えるカリキュラムを整え、教育体制の構築に取り組んでいます。

RCA交流30周年ウェブサイト広報用ポスター

2022.3.29