インダストリアルアート学科は2006年に首都大学東京(現 東京都立大学)システムデザイン学部システムデザイン学科内コースとして設立。現在では、メディアアートコアとプロダクトデザインコア(大学院ではメディア創生分野、プロダクトデザイン分野)から成るインダストリアルアート学科として、芸術・デザイン・エンジニアリングの融合を目指しています。
本学科では大都市東京固有の課題に対して、学際的観点から学生自らが問題を発見し、解決する能力を獲得していきます。その特色として「ひとつの学科に12のデザインスタジオ」、「高度な工学領域との連携」の2点が挙げられます。
12のデザイン領域
本学科ではプロダクトデザイン領域において、製品・サービスデザイン、エルゴノミックデザイン、インテリアデザイン、空間デザイン、トランスポーテーションデザイン、インタフェースデザインの6スタジオ、メディア・アート領域において、エディティング、インタラクティブアート、映像デザイン、ネットワークデザイン、ソフトウェアデザイン、ヴィジュアルコミュニケーションデザインの6スタジオを運営。ひとつの学科になり得る程の多彩なスタジオが、密に連携を取り研究を進めています。これにより、デザイン分野間の連携を強化し、学生はプログラミング・デッサン・CAD・映像制作・プレゼンテーション能力など、表象から体験までの多層的なデザインを実現する幅広いデザインスキルを身につけます。
学科を構成する12のスタジオ(本学科では研究室をスタジオと呼称しています)
高度な工学領域との連携
本学科は情報科学科・電子情報システム工学科・機械システム工学科・航空宇宙システム工学科・インダストリアルアート学科の計5学科で構成されるシステムデザイン学部の中の1学科であり、教育的な特徴としてT字型教育を目指しています。芸術工学分野において、これほど高度なエンジニアリング領域の専門家を育成する学科は極めてユニークです。結果、高度な専門性を要する工学分野の中で、技術・デザイン・コミュニケーション能力などを総合的に備えた本学科の学生は、ロボティクス・情報科学・航空工学分野などにおいて領域横断可能なデザイナーとして活躍しています。
本学科の特徴であるT字型教育
東京都、自治体連携
都市問題にかかわる受託研究やプロジェクトが盛んに行われ、東京都整備局や環境局とのデザインプロジェクトや、渋谷区との再開発に関する研究(図1)のほか、荒川区や都連携受託事業など毎年さまざまな取り組みが実施されています。
図1 再開発が進む渋谷駅前地区の工事現場の仮囲いのデザイン
(Photo by Nacasa & Partners)
産学連携
国内外の多くの企業と共同研究を実施しています。デザインプロジェクトや基礎研究、プロトタイピングなど多岐に渡る内容のほか、研究室スタートアッププロジェクト(図2)もあり、学生のモチベーション向上や社会貢献に対する意識と経験の向上を狙っています。
図2 研究室スタートアップによる製品事例:スマートフットシューズ「Orphe」
(Photo by no new folk studio inc.)
国際連携
学内・学外留学奨学金制度を有効に活用し、積極的に学生の海外派遣を実施しています。交流先企業・大学はArs Electronica社(オーストリア)やミラノ工科大学(イタリア)など多岐にわたり、国際的に活躍する学生を育成しています。
*首都大学東京は、2020年4月1日に大学名称を東京都立大学に変更する手続きを進めています。
2019.9.26