Design Academia - 国公立デザイン系大学会議

筑波大学デザイン学学位プログラム(DPD)では、2020年度教育戦略推進プロジェクトとして「創造性研究教育の国際連携“IRACI”の基盤構築と国際共同学位プログラム実現」を実施。実現するプログラムとして、創造性を学び、高度に活用する戦略的研究教育プログラム(IRACI:International Research Alliance for Creativity and Innovation)を計画し、以下3点を目的としました。

 

  1. 創造性研究の国際連携組織を構築するために、国際創造学研究フェスティバルを行い、ダブルディグリー/ジョイントディグリープログラムの実現に向けて取り組むこと。
  2. 多くの人が一つの場所に仮想的に集まり、体感共有できるVR会議システムを導入し、創造性に関する研究交流を行うこと。
  3. 国際創造学研究フェスティバルの中でVR体験システムを活用した体験型バーチャルワークショップとして複数大学の学生による創造デザインセッションを開催し、それぞれの大学の基盤的な演習授業として活用すること。

 

あわよくば対面でのワークショップも開催できるかと期待していましたが、COVID-19の感染症拡大は収まることがなかったため、コロナ禍においても活発な国際的コミュニケーションの機会を創出すべく、主に下記3つの軸でプロジェクトを実行しました。

 

1.オンライン双方向型共同演習の実施

i)ミラノ工科大学と産学共同のデザイン演習

ミラノ側からは大学院生11名、本学からは大学院生・学群生計13名が参加し、6グループ編成で照明器具のデザインを実施。Cadデータなどのデジタルデータをオンライン上で共有・共同制作し、グループ毎に毎日のようにミーティングを重ね、毎週の教員(筑波大+ミラノ工科大)による講評(英語)、隔週でのイタリアの現地企業へのプレゼンテーション(英語)を行った。

ii)建築デザイン分野の合同研究発表会

國立成功大学、マラヤ大学の教員・学生と英語によるオンラインの合同研究発表会を複数回実施。

2.国際創造学研究フェスティバル(2021年2月)の開催

デザイン学学位プログラム主催により建築デザイン、プロダクトデザイン、構成の各分野の選抜学生による英語の作品プレゼンテーションをオンサイトとオンライン同時並行で開催。國立成功大学の教員およびミラノ工科大学の教員をオンライン講評者として招聘し、英語による発表、作品説明、作品講評、特別講演が行われた。

3.機材導入および拠点となる教室の整備

デジタルデータを通じて遠隔コミュニケーションを活性化すべく、1. の共同演習と並行してデザインプロセスを視覚化するための機材導入、および拠点となる教室の整備を促進。

 

これらのプロジェクトを行ったことで、海外の機関とオンラインによるデザイン制作の共同研究において、

  1. 作品データのブラッシュアップを進捗させながら、綿密なコミュニケーションを継続させることの重要性。
  2. デジタルデータを各国拠点にあるデジタルファブリケーション設備で視覚化することで、実態のブラッシュアップも協働的に行えること。

 

という2点の把握が可能となり、結果、本プロジェクトの初段階で機材が導入され、デジタルファブリケーションを活用したオンライン型演習特化型の学内拠点整備を始めることができました。

プロジェクト最終発表後の懇談会(SpacialChat)

2022.3.29