秋田公立美術大学は社会の大きな変動に呼応し、新しい芸術領域の創造に挑戦する大学です。自然と伝統文化に恵まれた秋田の文化的資源や少人数教育のメリットを活かして、芸術の可能性・公共性を探求し、秋田から世界へと、自らの芸術的感性と創造性を生かす社会に貢献する人材を送り出します。
入試は総合入試を実施しており、入学後は専門を展開するための土台として共通する基礎を、さらに質・視点・アイデア・リサーチ・思考プロセス・コミュニケーションについても学びます。2年次後半からは5専攻に分かれて個性・資質・志向を加え、専門領域で通用する人材を目指します。
4つの基本理念
1 新しい芸術領域を創造し、挑戦する
近代日本の芸術教育において、日本画・彫刻・工芸・デザイン・建築などの区分が固定され、西洋近代的なものと日本古来のものが並行的に同居している状態を見直し、現代日本に合った価値観に再構成するとともに、新しい芸術的価値を生み出し、発信することに積極的に挑戦します。
2 秋田の伝統・文化を生かし発展させる
「地方都市のアイデンティティを再発見し、新たな価値観を創出する」というビジョンと、「地域の多元化そして深化こそ豊かなグローバル文化を形成する」という理念に基づき、芸術の「地方分権」を先駆けます。また、秋田の歴史的伝統を掘り起こしてその芸術的価値を再評価し、現代の秋田に生かすとともに、芸術・デザイン分野における新たな展開をもたらす、地域のルネッサンスを目指します。
3 秋田から世界へ発信するグローバル人材を育成する
多様なルーツとの出合い、価値の多様性への理解、共有できる柔軟な思考といった、アーティストあるいはデザイナーとして第一線で活躍するために必要な経験・価値観を持ち、新しい表現を模索しながらグローバルに活躍できる人材を育てます。また、大学自体もグローバル文化の形成を目指して、先鋭的な芸術表現による新たな価値観を世界に発信していきます。
4 まちづくりに貢献し、地域社会とともに歩む
公立大学の責務として、全教員が専門領域に由来する社会貢献事業を進めるとともに、県内外の教育機関、民間企業、社会教育機関などとの連携を図りながら、地域ブランドの開発や地場産業の振興、芸術活動の展開などに力を発揮し、地域活性化に貢献する人材を育てます。
5つの専攻
1~2年次には、学生は素材・技法を総合的に学び、自らの適性に合う専攻を選択します。3~4年次には、5つの専攻の中からひとつの専攻を軸として選択し、それぞれの専門専攻科目でより高度な知識や技術を身に付けながら、4年次後期に4年間の学習成果の集大成として卒業研究を行います。
1〜2年次
3~4年次
5つの専攻の考え方
専攻選択の流れ(例えば、ものづくりデザイン専攻の場合)
アーツ&ルーツ専攻
基礎理論・作品制作・フィールドワークによって、地域の歴史的な文化資源の調査・研究を通し、その再評価の中から新たな芸術表現を探求する。
ビジュアルアーツ専攻
従来の素材や技法、表現形態にとらわれず、現代美術の新しい方向性を探り、さまざまな素材や媒体を通して現代的な表現を展開する。
ものづくりデザイン専攻
秋田の文化資源を背景に、人と人との豊かな関係を築く新たな視点と価値を持ったものづくりを提案する。
コミュニケーションデザイン専攻
優れた伝達表現やグラフィックデザインなど、デザイン全体を構築する総合的なディレクションを可能にする。
景観デザイン専攻
「景観」の現場で、感覚・知識・経験を総動員してその場所の本質を見抜き、社会の変革を促すアートとデザインの手法を学ぶ。
2019.9.30