Design Academia - 国公立デザイン系大学会議

長岡造形大学は、1994年に長岡市と新潟県の支援により、国内初となる公設民営型のデザイン専門大学として開学しました。開学時の理念は、2014年の長岡市による公立大学法人化後も受け継がれ、デザインの創造的探求、地域と協創する大学として1学部4学科、1研究科(修士・博士〈後期〉課程)で構成し、現在に至ります。
開学時から教育目標を、「デザインを『色・かたち』ととらえるだけでなく、社会の要請に応えるクリエイト能力とコーディネート能力をもったデザイナーの育成」とし、豊かな感性に基づき思いをかたちにする「造形力」、主体的、理論的、多面的に考える「社会人基礎力」、問題の発見から解決策の提案までを身につける「構想力」、という3つの力を養う科目で教育課程を構成しています。
初年次教育の「基礎造形実習」では、プロダクトデザイン学科、視覚デザイン学科、美術・工芸学科、建築・環境デザイン学科の4学科の学生が「混合クラス」で受講することで、デザイナーにとって不可欠となる技術と理論の基礎を学びます。
教養科目では、キャリア系、PCおよび情報リテラシー、各デザイン概論の必修科目などにより早期から社会の求める「広義のデザイン」を涵養し、多様な進路への意識付けを図る一方、講義系の学科専門科目の多くは学部共通、選択科目に設定されており、能動的に他領域科目を履修することが可能。他学科の専門領域を受講できる「クロス実習」も開講しているため、横断・包括的なデザイン体系の修学ができます。加えて、重点教育とした地域・社会連携系授業には「地域協創演習」、「インターンシップ」、「ボランティア実習」を置き、特に「地域協創演習」では地域をデザインの実践的な学びの場として、企業、自治体、コミュニティなどと共に課題に取り組むフィールドワークを実施しています。学生は大学院生も含めた全学混成チームとしてプロジェクトに参加活動し、毎年10件以上のプロジェクトを実施しています。
また、2018年から長岡市の地域再生計画の連携事業として、長岡市、商工会議所、高等教育機関の4大学1高専(長岡科学技術大学、長岡造形大学、長岡大学、長岡崇徳大学、長岡高専)によるNaDeC構想推進コンソーシアムが設置され、市街地拠点施設「NaDeC BASE」の運営を開始しました。同施設は、各機関の専門研究機能と地元企業の連携による新たな事業創出・人材育成・起業支援・若者の定着などを目的としており、本学からも大学院生を含めた学生が参画。これまで学生主体の交流事業、大学間連携授業、産学連携のプロジェクトなどの講座・セミナー・発表会をオープンスペースで展開してきたことで、今まで市民や企業、大学間でも見え難かった授業や研究内容が可視化されています。今後予測し得る大学連携による運営の在り方を含め、次世代のデザイン大学として教育・研究の指針を探っていきます。

 


NaDeC BASEでの学生プレゼンの様子


NaDeC BASEでの大学院授業


基礎造形実習の様子


基礎造形実習「色彩」の講評会


基礎造形実習「立体」の講評会

2019.10.2