Design Academia - 国公立デザイン系大学会議

岡山県立大学デザイン学部改編

岡山県立大学は、日本で最初のデザイン学部を持つ大学として、1993年に設立されました。開学時、デザイン学部はビジュアルデザイン学科と工芸工業デザイン学科の2学科でスタート。その後、時代の変化に伴い2度の改編を経て、現在のデザイン工学科と造形デザイン学科の2学科となりましたが、近年、地域からの強い要望を受け、現在のデザイン工学科 建築・都市デザイン領域を学科として独立することになりました。また、時代が大きく変化している中で、専門性を高めながらデザインの広義な意味である計画・共有・流通を含めた分野の教育を進められるように、2021年からビジュアルデザイン学科・工芸工業デザイン学科・建築学科の3学科に改編しました。

 

ビジュアルデザイン学科
広告業界や出版業界で活躍できるスペシャリストを育成

ビジュアルデザイン学科では、さまざまなメディアで活用できる視覚伝達の知識・技能を基盤に、各分野における専門性を追求していきます。具体的には、積み上げ型の専門教育プログラムを柱としたカリキュラムを編成。1年次は視覚伝達の基礎を学び、2年次はグラフィックデザインコース、映像デザインコースのいずれかに所属し、各分野の専門と感性を高めます。3年次は地域や社会のニーズに対して専門的な視点から企画提案できる判断力・実践力を身につけ、4年次は卒業研究を通じて総合力を磨きます。

こうした教育を通して、地域・国際社会の持続的発展のために能力を発揮できるグラフィックデザイナー・映像クリエイターなど、広告業界や出版業界で活躍するスペシャリストの育成を目指しています。

 

工芸工業デザイン学科
「計画」と「実行」の融合

デザインの特徴は、問題解決に当たって「計画」と「実行」を分離したことにあります。社会においても、生産者と消費者の立場が分離し、さらに企画や製造など職能ごとの分離が進みましたが、最近の動向として、これらの分化したプロセスを新たに編み直す傾向が見られます。工芸工業デザイン学科では、立体的な造形教育を基盤に、工芸的な緻密さと工業的な合理性を学ぶことで、社会の持続的発展に資する「計画」と「実行」が融合したスペシャリストの育成を目指しています。

これを実現するために編成しているのが、専門教育プログラムを柱としたカリキュラムです。1年次は、デザインの基礎知識や基礎技能を学び、2年次になると、プロダクトデザインコース・テキスタイルデザインコース・セラミックデザインコースのいずれかに所属して専門性を高めます。3年次は、地域や企業の課題に対する企画提案力を身につけ、4年次では、卒業研究を通じて総合力を磨きます。

 

建築学科
地域と伝統に学び、新しい価値をつくりだす力

建築学科では、建築設計を中心にインテリアから地域計画に至るまで、広範な知識と高度な技能を修得し、国際・地域社会の持続的発展に寄与する建築家や建築分野の専門家の育成を目指しています。

共通教育科目を通じてデザインに関する基礎的な知識を学び、建築に生かす力を身につけるとともに、建築的表現技能や建築史、建築計画、建築構造や建築環境といった専門知識を修得し、地域デザインプロジェクトへの参加やインターンシップを通じて実践力を磨きます。さらに卒業研究では、修得した専門知識や技能などを基礎として、発見した課題を自ら解決に導くための総合力を高め、自主的に学習し、新しい時代を建築で切り拓く人材を育てます。

2020.3.21