尾道市立大学美術学科は、1学年の学生数が約50名、教員数が15名、各コースに助手が3名の比較的小規模な美術大学です。日本画、油画、デザインの3コースで構成され、それぞれのコースに所属する学生は、教員による専門性の高い指導を受けることができます。
本学科の美術教育の特色としてまず挙げられるのは、1年次では基本的な造形能力を養う基礎造形科目を通して全ての学生が3コースの実習を体験し、その経験や自身の資質を踏まえた上で2年次からのコース選択を行うということでしょう。また他大学の美術学科に比べて、各コース間の敷居は低く、教員だけでなく学生同士もコースの垣根を隔てたコミュニケーションを取りやすくしています。このようなコース制を通して、学生それぞれが持つ豊かな感受性や個性を尊重しつつ、専門的な知識や技術、芸術文化全般への理解を深め、幅広い視野を身につけることができます。また学生相互の切磋琢磨の機会を通して、作家やデザイナーとして、あるいは美術教員や学芸員として、持続的に美術に関わることのできる人材育成を達成することを、本学美術学科の教育理念としています。
古からの商業都市として歴史ある尾道に構える大学の特性を生かし、地域との結び付きをテーマとした課題設定や学外発表、商業地区の空き家の有効活用やリノベーションの提案など、地域経済の発展にも積極的に関わっています。また産学官による連携を通して、学生の取り組みを社会に還元するとともに、制作へのモチベーションや機会の創出を全学的に取り組んでいます。
美術学科コース構成イメージ
日本画コース大学院2年次終了制作〈尾道市立大学美術館〉
油画コース大学院2年次学外展示〈福山城 月見櫓〉
デザインコース 3年次学外展示〈地域活性化課題〉
2021.7.2