Design Academia - 国公立デザイン系大学会議

造形表現の基礎と創造的な活動・表現

広島市立大学芸術学部デザイン工芸学科は、社会と生活にかかわる造形芸術の総合的な教育と研究を行うために、造形表現の基礎教育を重視しながら、より専門的な造形表現へと展開できる学科です。7つの分野(視覚造形、立体造形、映像メディア造形、金属造形、染織造形、漆造形、現代表現)を設け、広範な活動領域において、柔軟で創造的な活動・表現のできる能力を育て、新たな時代の形成と社会に貢献できる人材を育成します。

年次チャート

広島

●全学共通科目 ●外国語系科目 ●資格収録科目

1年次ではデザイン・工芸の基礎実技を通して幅広い表現方法を取得

2年次から各専門分野に分かれて、実技実習を行います
現代表現領域|現代表現
デザイン工芸領域|視覚造形/立体造形/映像メディア造形/金属造形/染織造形/漆造形

●卒業制作
卒業制作は、学部4年間の実習と創作研究活動の集大成として成果の発表を行い、自らの創作活動を確認し、社会へのメッセージを発信するものです。制作にあたっては十分な準備と時間をかけて、持てる力を限界まで引き出し、意欲的な表現を探求します。また本学芸術資料館などにおける卒業制作作品の展示を出発点として、将来の創作活動の方向性を自覚するプロセスともなります。

分野にかかわらず、創作活動の基盤となる幅広い分野の基礎知識と技法を学びます 

7つの分野
視覚造形
ヴィジュアルコミュニケーション・デザインで、社会の課題を創造的に解決する

視覚造形分野では、ヴィジュアルコミュニケーション・デザインを中心とした、課題解決方法とその新しい表現方法について探究します。さまざまな実習課題や学外デザインプロジェクトを通じて、問題の本質を捉え、他人と協調しながら、創造的な提案ができる人材を育てます。

立体造形
人とモノの関係を追究し、広い視野で本質的なモノづくりを創造する

立体造形分野は、生活の中における人とモノのかかわり合いをデザインすることに主軸を置いています。効率性や経済性を重視する現代社会においては、モノづくりに込められた心の大切さを見失いがちです。ここでは、広い視野で本質的なモノづくりを創造し、自由な発想の導き出し方を学ぶことができます。

映像メディア造形
現代社会に新しい視覚体験を発信する

映像を使った情報ツールは、いまや日常の中にあふれています。それらを制御し情報発信するには、適切な技術と知識が必要です。映像メディア造形では、社会のニーズに応える多様な映像表現の創作・研究を行います。多くの映像資料を基にリテラシーを養いながら、デジタル技術を利用した新しいコミュニケーション表現を構築します。

金属造形
素材との対話を通した技術修得、柔軟な思考が独自の表現を生む

わが国の金属工芸には、先人たちが残した世界に誇れる素晴らしい表現技法が多く存在します。彫金・鍛金・鋳金などの金属工芸の伝統的技法の基礎を体系的に学び、応用技術を修得します。段階的に修得した確かな技術と柔軟な思考を基に、現代における工芸、金属造形のあり方を考え、独自の表現と新たな方向性を探ります。

染織造形
多様な素材や技術を修得し、現代社会における新たな表現を探究する

染織は古来より人間生活の基本として、生活を豊かにし、身体や暮らしを華やかに彩ってきました。染織造形分野では、日本の伝統技術から現代技術までを研究した上で、現代社会においてより重要になる染織芸術の可能性を素材・技術・知識などの多角的な視野から考え、染織造形の未来を切り開くことを目標としています。

漆造形
ものづくりの必然性を追究し、創造性豊かな表現を目指す

漆造形分野では、自然との共生をコンセプトに、9000年以上におよぶ人と漆のかかわりや、漆の技芸・表現技法を学ぶことで、現代の画一化された価値観や、利便性や合理性を追求した結果生じたさまざまな社会問題に気づくことができます。工房での3年間では学びきれない奥の深い世界ですが、ここでの経験は、現代人が失いかけている「心の豊かさ」を呼び戻してくれる、そんな学生を育成します。

現代表現
先端的表現の実践と理論構築を学び、現代社会に応える表現を創造する

現代表現分野では、作品制作に加え、作品発表に必要なキュレーションとマネージメントのスキルなどの知識も専門的かつ体系的に学びます。現代美術作家にとって、社会や政治、歴史的視点から創作場所は重要なポイントです。史上初の被爆都市であり、世界的に知られた都市のひとつである広島から、日本と世界の諸問題に取り組み、国際舞台で活躍するアーティストの輩出を目指します。

2021.7.3